国の宝と書く「国宝」。具体的にいえば、国宝とは「文化財保護法に基づいて指定される重要文化財の中でも、とくに文化史的、美術的、学術的に優れた作品」です。
国宝という概念が誕生したのは、明治時代です。廃仏毀釈のなか、多くの文化財が破壊され、打ち捨てられ、売却によって海外へ流出していった事態を憂えた日本政府は、文化遺産の調査を開始するとともに明治30年に「古社寺保存法」を制定して、重要な文化財を「国宝」に指定したのが、国宝の始まりです。
昭和4年には「国宝保全法」が制定され、神社仏閣以外の国や公有、私有の文化財も国宝の指定対象となりました。さらに、昭和25年には、文化財保護法が制定されました。これは、前年に法隆寺金堂の火災で飛鳥時代の壁画が消失するという惨事があったため、制定された法律です。
それまで7000件近くあった国宝をいったん重要文化財とし、その中から新たに国宝が指定され、現在に至っています。
専門家だけでなく、“万人”に通じる価値を持っているのが国宝ですが、国宝であると定めるのは誰でしょうか。
国宝を管轄しているのは文部科学省で、その美術学芸課と建造物課の専門官が各地の文化財を調査し、研究者の意見などを参考にして、年度ごとに指定の原案を作成します。
そして、文化審議会で討議されたのち、文部科学大臣によって承認され、毎年6月頃の官報で告示されると、新しい国宝が誕生することになります。
人間国宝とは通称であって、正式には重要無形文化財保持者です。「無形文化財」とは、定まった形のある「有形文化財」に対して、人間の技そのものを文化財とする名称です。国は伝統的な演劇、音楽、工芸技術などで、芸術性の高い技術を体現、体得している者や団体を「重要無形文化財」に指定します。
その指定には「各個認定」「総合認定」「保持団体認定」の3つの方式がとられており、個人ごとの「各個認定」を受けた個人が、「人間国宝」と呼ばれる人々です。
人間国宝の制度は昭和50年の文化財保護法の改正から正式に始まりましたが、そのルーツは明治23年に設置された「帝室技芸員」に遡ります。これは国際的にも早い時期から始まった、評価の高い制度とされています。
いわの美術では、人間国宝(重要無形文化財保持者)や人間国宝辞退者などの陶磁器、工芸品、染織、人形、蒔絵などの作品を積極的に買取いたしております。また、人間国宝になる前の無名時代の作品も査定・評価させていただきます。
展覧会等の図録に掲載されている作品や、銘があるもの、花押が入っているもの、共箱など付属品が揃っているなど高価買取対応致します。
高価買取の期待できる人間国宝(重要無形文化財保持者)の例
<陶芸>
荒川豊藏
石黒宗麿
井上萬二
徳田八十吉
濱田庄司
松井康成
三輪休雪
三輪休和
山田常山
吉田美統など
<工芸>
大場松魚
松田権六
赤地友哉
北村昭斎
鹿島一谷
増田三男
佐々木象堂
角谷一圭
高橋敬典
大澤光民
大角幸枝
齋田梅亭
月山貞一
隅谷正峯
堀柳女
生野祥雲斎
中臺瑞真
秋山逸生など
<染織>
上野為二
小川規三郎
鎌倉芳太郎
北村武資
喜多川平朗
木村雨山
甲田栄佑
小宮康孝
佐々木苑子
与那嶺貞など