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焼き物の性質と分類

2016/1/22

焼き物の性質と分類


毎日使っているお皿や茶碗などの陶磁器、これを総称して焼き物という言葉が使われています。

陶磁器を含め、焼き物を大きく分類すると、原料や焼成方法などから、更に細分化され、次の4種類に分けられています。

土器

せっ器

陶器

磁器


土器

【原 料】粘土の中に石などが混ざっている。

【焼成法】無釉で700〜900℃の低温で焼成。古くは野焼きであった。

【歴 史】縄文時代に始まり、陶器・磁器が登場してからも、煮炊き用の器として、庶民の日用品として使われた。

【断 面】石の混じった粘土で空気を多く含み、多気孔質で質感が粗い。

【特 徴】素地は土色で、不透性。吸水性があり、強度に乏しいためもろい。火に強く、焙烙などに向く。たたくと鈍い音がする。

【 例 】縄文土器、弥生土器、瓦、植木鉢、焙烙など


せっ器

【原 料】土器の素地に似た、アルカリや鉄を含む粘土質の陶土。

【焼成法】窯を使い、1200〜1300℃の高温で焼成。

【歴 史】古墳時代の須恵器に始まり、中世の常滑焼、備前焼などの無釉焼締陶から現代に至る。

【断 面】陶土の中の長石が溶けてできたガラス質の自然釉が表面を覆う。

【特 徴】素地は固く、吸水性が低い。一般的には陶器に属するが、釉薬を掛けず、固く焼き締める点などが異なる。たたくとやや澄んだ音が出る。

【 例 】須恵器、常滑焼、備前焼、信楽焼、伊賀焼、丹波焼、越前焼、タイルなど


陶器

【原 料】陶土。せっ器と陶器は陶土を原料とするので、磁器と区別して”土もの”と呼ばれる。

【焼成法】800〜900℃で釉薬の溶ける低火度釉陶と、約1200℃で釉薬が溶ける高火度釉陶がある。

【歴 史】低火度釉の緑釉は飛鳥時代、上絵付けに3色の釉を用いた三彩は奈良時代に始まり、高火度釉は平安時代の猿投窯の灰釉に始まったとされる。

【断 面】器面を人為的に掛けられた釉薬(ガラス質)で覆われる。

【特 徴】素地が多孔質、若干の吸水性がある。不透性。釉薬が掛けられ、釉薬により仕上がりが異なる。土器よりは硬いが、せっ器よりはやわらかい。たたくとにぶい音がする。

【 例 】益子焼、萩焼、唐津焼、京焼(仁清、乾山)、楽焼、瀬戸焼、灰釉陶器、緑釉陶器など


磁器

【原 料】長石、珪石、カオリンなどの陶石。”石もの”と呼ばれる。

【焼成法】本焼の焼成温度は1200〜1300℃の高温のものが多い。

【歴 史】日本では江戸時代に、朝鮮半島の陶工が有田で陶石を発見したのが始まり。

【断 面】器面は透明なガラス質の釉薬で覆われ、滑らかな質感。

【特 徴】素地は白色で吸水性がなく、最も硬質で、わずかに透光性がある。高温で焼くために薄手。白磁はたたくと金属的な音がする。

【 例 】伊万里焼、鍋島焼、九谷焼、有田焼、一般的な食器など

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