毎日の生活の食卓にかかせないお皿やお茶碗などの様々なやきものの器。何気なく使っている器ですが、普段使っているやきものの器には、陶器と磁器があります。
ひとくくりに陶磁器と使われることもありますが、今回は、意外と知らない陶器と磁器の違いや見分け方について説明します。陶器と磁器では、それぞれ特徴があり、原料や仕上がり、扱い方にも違いがあります。
•原料:陶土(粘土)が主
•焼成温度:800度〜1200度
•透明度:なし
•吸水性:あり
•硬度:柔らかいく、衝撃に弱い。
•呼称:粘土で作られるので 「土もの」
•主な焼き物:瀬戸焼 唐津焼 美濃焼 常滑焼 信楽焼 萩焼 笠間焼 楽焼
•原料:陶石を粉砕した石粉が主
•焼成温度:1200度〜1400度
•透明度:あり
•吸水性:なし
•硬度:かたいが、陶器に比べ衝撃に強い。横からの衝撃には弱い。
•呼称:石で作られるので「石もの」
•主なやきもの:有田焼(伊万里焼) 九谷焼 砥部焼 波佐見焼
家庭でも出来る簡単な陶器と磁器の見分け方です。見た目での違いには、陶器は土っぽく、和食器に多く、磁器は石っぽい見た目で、洋食器に多くみられます。
1. 器の縁を叩いて音をきいてみます。陶器は磁器に比べて、叩くとカンカンと高い金属音のような高い音がします。
2. 光にかざした時の透明度で見分けます。磁器は原料にガラス質を多く含み、硬度が高いため薄手に作ることができます。光にかざしてみると若干透けているようにみえます。陶器を薄く作るのは難しく、陶器の原料は光を通さず透けてみえません。
3. 磁器は陶器に比べ、熱伝導率が高いので、熱くなりやすいという特徴があります。
また、陶器は磁器に比べてとても保温性に優れており、この特徴を活かした陶器製である土鍋は、お米を炊くのも適しています。
4. 釉薬の風合いでも違いがあります。陶器は、釉薬のかけかたで風合いを出しますが、磁器は、絵付けや形の美しさに特徴があるものが多く、釉薬も均一に綺麗にかけるため、釉薬のムラや垂れなどの表情が無いものがほとんどです。