嵯峨人形は、京都の伝統工芸である古典人形で、江戸時代初期に、仏像彫刻の工人により製作されはじめたとされています。
嵯峨人形は、木彫りで、衣裳部分に細かく彩色を施されており、彩色は、絵具を厚く盛り上げ、金彩を加えて、絢爛美麗に仕上げられているのが特徴です。 木彫の本体に胡粉を置き上げ、全面に極彩色を施された嵯峨人形の制作様式は、多くが仏像彫刻技法にみられることなどから、江戸時代の仏師たちが仏像彫刻の余技として嵯峨人形が生まれたのではと言われてます。嵯峨は京都の地名で、その名の由来は嵯峨本のごとく豪華絢爛だったことにあるとされていますが、定かではありません。
嵯峨人形の大きさは10〜15cm程度のものが多く、江戸時代の風俗を題材としたものや七福神、唐子の童子などがみられます。 もっとも古い嵯峨人形に、江戸中期の貞享/元禄(1684〜1704)時代頃に制作された首振り嵯峨人形があります。首振嵯峨人形のスタイルには唐子的な童子で、手に犬や鳥、あるいは鞠を持った、寸胴の坐り姿のものが多く見られました。
江戸時代も後半になってくると、嵯峨人形は、遊女・若衆・猿回し・芸人など色々な風俗を取り上げるようになり、総称してこれらの嵯峨人形は「風俗嵯峨」と呼ばれています。 その他の嵯峨人形に、人間の裸姿をとらえた「裸嵯峨」があります。裸嵯峨は宮廷で愛玩されていたもので、手足が直径1〜2mmと非常に細く、サイズも小ぶりで鼓・鳥・春駒のほかに、烏帽子の紐を持ったものなどが多くみられます。
嵯峨人形は江戸時代の上流階級層にもてはやされた人形で、精巧な木彫と精美な彩色・金彩が備わり、胡粉や象牙などの高級な材料をふんだんに用いて作られた高級で風雅な人形として当時の高級美術工芸といえます。
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江戸時代の嵯峨人形で現存するものは、年月の経過で重く沈んでしまっていることが多く、そのため時代物の嵯峨人形は大変希少価値の高いものとなっています。
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