十牛図とは
十牛禅図とも言い、牛を主題とした十枚の絵で禅の悟りに至る道筋を表したものとなっております。中国宋代の臨済宗 楊岐派の禅僧であった廓庵禅師によるものが最も有名です。
十牛図に描かれている牛は、ひとの「心」や「無意識」の在り方を象徴しています。
十牛図を通じて自己覚知 (自らの性格と個性を知り、感情や態度を意識的にコントロールするテクニックの総称)を深める手がかりとなる入門本から、十牛図の研究書、十牛図について論じた日本の哲学者の研究書にいたるまで、十牛図は様々な角度から文献がでています。
十牛図 まとめ
- 尋牛 (じんぎゅう) :牛を捜そうと志すこと。悟りを探すがどこにいるかわからず途方にくれた姿を表す。
- 見跡 (けんせき) :牛の足跡を見出すこと。足跡とは経典や古人の公案( 禅宗で悟道のために与えて、考える問答を行うための問題。)の類を意味する。
- 見牛 (けんぎゅう) : 牛の姿をかいまみること。優れた師に出会い「悟り」が少しばかり見えた状態。
- 得牛 (とくぎゅう) :力づくで牛をつかまえること。何とか悟りの実態を得たものの、いまだ自分のものになっていない姿。
- 牧牛 (ぼくぎゅう) :牛をてなづけること。悟りを自分のものにするための修行を表す。
- 騎牛帰家 (きぎゅうきか) : 牛の背に乗り家へむかうこと。悟りがようやく得られて世間に戻る姿。
- 忘牛存人 (ぼうぎゅうぞんにん): 家にもどり牛のことも忘れること。悟りは逃げたのではなく修行者の中にあることに気づく。
- 人牛倶忘 (にんぎゅうぐぼう):すべてが忘れさられ無に帰一すること。悟りを得た修行者も特別な存在ではなく本来の自然な姿に気づく。
- 返本還源 (へんぽんげんげん) :原初の自然の美しさがあらわれてくること。悟りとはこのような自然の中にあることを表す。
- 入鄽垂手 (にってんすいしゅ) :街で暮らす。悟りを得て童子から布袋和尚の姿になっている修行者が街へ出て、別の童子と遊ぶ姿を描き、人を導くことを表す。
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