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生け花の鑑賞について

2015/11/19

生け花の鑑賞について

今回は最も基本的な形の生け花の鑑賞について取り上げていきます。
生け花は生命感とみずみずしさが肝であるため、まず全体を拝見し、花台と花器をさらりと見ます。生け花の「枝役」は必ず三本と決まっております。 花器の水面から5センチほどの所を「水ぎわ三寸」三分の一の所を「体(地)」三分の二の地点を「副(天)」といい、お花の一番先端が「真(人)」となっております。なお、この『天、地、人』『真、副、体』『用、留、体』という表し方は流派によって違っておりますので、この考え方を、聞くあるいは調べてあらかじめ読むということが理解のカギとなります。
「体・副・真」のアシンメトリーな三角形の美しさを追求するところが大切な見どころとなります。この不対照な三角形にも幾数ものパターンがあり、大変奥深くなっております。季節や主題に応じた草花の取り合わせと共に、もともとお花が自然に伸びていた方向を活かせているか?という点も、花を生ける方の腕の見せ所となります。
華道において自然に山や野原に咲いている草花のうつくしさには、
  • ・山の崖に垂れ下がっている姿
  • ・山の斜面に傾斜して倒れている姿
  • ・立っている姿
の三つの状態があると考えられているため、そこに寄り添った生け方がされていることが、草花が生まれつきで持つ個性を最高に伸ばした良い作品であるかを感じ取るポイントとなります。
もっとも「何を美しいと感じるか」ということは十人十色ということを念頭に、会場にご一緒した方と感想を交わすことで、新たな発見やシンパシーがあることと思います。

生け花の見方いろいろ

今では「自由花」や「前衛花」といい、岩や石・造形に個性がある外国の花々を取り入れて、展示する会場の持ち味を活かしたダイナミックな展示方法や彫刻のような作品の展示もあります。西洋のフラワーアレンジメントとの折衷もあり、素直に観て感じるままを楽しむのが一番といえる状況です。いろいろな華道の展覧会では、なるべく花を生けたご本人に話を聞くことで鑑賞の体験も深まっていくのではと考えます。作家さんが会場に居る場合に本人から直接にお話を聞くというのは、最初はとてもドキドキするものなのですが作品への親近感や興味を持ち帰るためには一番良い方法ですね。
人気・有名な作家さんの講演やトークショーも有効なのですが、街場のギャラリーを通りかかった際などに個展を覗くこともおすすめです。
発表をしている作者さんにとっても、作品についての質問や感想のやり取りをすることはプラスな経験になることと思いますし、美しいと思うものやことについて話すのは、お互いを励ましあう良い時間となることでしょう。

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