貝桶とは
貝桶は、「貝合わせ」の貝をいれる「桶」のことを指します。
「貝合わせ」は平安貴族の遊びで、貝の内側に対になる絵や上の句と下の句を書いて対の貝を当てるあそびです。
貝は、他の貝と合わせてもぴったりとはまらないため、昔の人々は夫婦の円満を願って「貝合わせ」を娘に持たせる嫁入り道具の一つとしました。
貝桶と貝を散らした意匠ははなやかで美しく、礼装用の着物や帯に貝桶の意匠はよく用いられます。
「貝合わせ」というあそび
「貝合わせ遊び」は、内側に絵柄を描いたハマグリの貝殻をばらばらに伏せて置き、身と蓋の部分を一対として数多くの貝をとって競う、トランプの「神経衰弱」に似た遊びです。
ハマグリの貝殻は別の殻とはけっしてピタリと重ならないことから、夫婦の和合の象徴として、
貝桶は嫁入り道具に不可欠なものの一つとなりました、
一対の貝殻の各々には同一の絵柄が描かれます。例えば吉祥文様や「源氏物語」「伊勢物語」を主題にした絵が描かれたり、最初に述べたように合わせると俳句が完成するように文字が書かれていたりします。貝を入れる貝桶には美しい蒔絵が施され、裕福な家庭の娘でなくては持てない高級品でした。
貝桶と貝合わせが出てくる美術品の例
- 「立美人図」菱川師宣 江戸時代
- 「潮干のつと」喜多川歌麿 江戸時代(ベルリン東洋美術館)
- 「綾杉地獅子牡丹蒔絵婚礼調度」の貝桶と貝合わせ江戸時代(林原美術館)イメージ右
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