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日本人形の種類と扱い方

2016/5/17

日本人形の種類と扱い方


日本人形(和人形)は、日本髪を結い、和服を着た日本の伝統的な風俗を写した人形の総称です。古代からあった、人間の身代わりとして使われた「形代(かたしろ)」という人形のように、最初は人形が呪術的な意味合いをもっていました。

次第に愛玩具としての意味合いをもつようになっていき、江戸時代には技術・生産量ともにピークを迎え、現代に伝わる様式を確立しました。


日本人形の種類


市松人形

着せ替え人形の一種で、抱いて遊ぶ日本人形の代表的存在です。男の子の姿のものもありますが、おかっぱに振袖という女の子の姿をしたものが多く、四肢が動き、衣装を替えることができます。関西では、「いちま」と呼ばれます。

市松人形の起源は、江戸時代天保年間(1830〜1844年)以降といわれ、人気歌舞伎役者の佐野川市松をかたどったともいわれますが、定かではありません。当時は裸の状態で売られ、衣装は購入者がつくるのが一般的でした。


御所人形

江戸時代中期から京都で作られた色白で丸々と太った童形の人形で、木彫りや張り子に胡粉を塗り重ねてつくられます。腹掛けなど簡単な衣服を着ているものが代表的で、宮中から大名などに下賜されたため、拝領人形、お土産人形とも呼ばれました。


雛人形

女の子の無事の成長を願って、三月三日の桃の節句に飾る、女雛・男雛で一対の内裏離を基本とする人形です。紙製の素朴なものから、小道具が多く工芸品としても優れた贅沢なものまで様々な種類があります。


からくり人形

機械的仕組みを使った人形のことで、からくり人形が文化的に開花したのは江戸時代で、その独自性によって国際的にも注目されています。からくり人形は、座敷からくりともいわれ、座敷・屋内で鑑賞するためにつくられたものです。

その多くは台の上に据えつけられた人形が太鼓を叩いたり舞ったりするもので、茶運び人形のように移動するものなどがあります。からくり人形は高価なもので、大名や豪商などが所有していました。


その他の和人形…武者人形、嵯峨人形、こけし人形、御所人形、御台人形、伏見人形など


日本人形の扱い方


伝統的な日本人形は、乾燥や温度差、衝撃に弱くひび割れしやすいので、扱いは慎重にしましょう。

・顔が命の日本人形。顔は素手でさわらないようにしましょう。胡粉に触ると、手の脂などがあとから浮き出てきてしまうことがあります。顔に汚れがあった場合は、筆の穂先で軽く払ったり、柔らかい消しゴムなどでそっと落としてみます。


・ほこりやゴミが人形の顔や衣装につくと、顔の色が曇ったり、衣装が退色してしまいますので、羽根バタキや穂先をバラバラにした小筆で、ときどきゴミやほこりを落とすようにします。


・雛人形などは刀や杯、太鼓など小物が非常に多いので、なくさないように注意します。


日本人形の保存


デリケートな日本人形を長く楽しむには保存の仕方が重要です。

人形を飾らず、暫くしまっておくときは、晴れた日にしまいましょう。すぐにはしまわず、羽根バタキか柔らかい筆などでほこりやゴミを払い落としてからしまいます。


箱にしまうときは、柔らかい布や和紙で人形を一体ずつそっとくるみ、ポリ袋に入れて密封します。次に、人形用の防虫剤を紙に包んで、少量入れ、新聞紙などで隙間をうめてしまいます。


日本人形は、乾燥しすぎると顔のひび割れの原因になり、また湿度が高すぎると、顔や衣装にカビがはえてしまうこともありますので、保存の際は、温度・湿度には注意が必要です。

しまったままにせず、年に一度は、初冬の湿度の低い、よく晴れた日に虫干しするようにしましょう。


大切に扱ってきた日本人形でも、万が一キズなど修理が必要な場合は、高度な技術が必要となりますので、高価な作品である場合は修復師に依頼することが望ましいでしょう。

伝統的な日本人形の場合、古びた色合いを修復することは特に難しく、色調整などは専門家に頼むのが一番です。


昔から日本人にとって、人形は単なる飾り物や遊び道具ではなく、常に生命あるものとして扱われてきました。最近では、役目を終えた人形を感謝の気持ちを込めて供養するサービスなどもあるようです。

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