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焼き物の産地〜四国・中国・関西地方

2016/2/12

焼き物の産地〜四国・中国・関西地方


日本の代表的な焼き物の産地〜今回は関西・四国・中国地方の焼き物を紹介します。



萩焼(山口県)


萩焼は、山口県の萩と長門で焼かれる陶器です。茶の湯の世界で「一楽、二萩、三唐津」という言葉があるように、萩焼は江戸時代の茶人に愛されたことでも知られます。


茶碗や湯呑みのイメージが強い萩焼ですが、茶陶を焼く萩藩の御用窯から始まりました。豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、藩主・毛利輝元が、連れ帰った朝鮮半島の陶工に、高麗茶碗の写しを焼かせたのが始まりです。 その朝鮮渡来の陶工李敬が萩の松本に開窯し(松本萩)、のちに坂高麗左衛門の和名を藩主より拝領しました。兄の李勺光は長門の深川に開窯し(深川萩)、以後、この二系統の萩焼窯が続いています。

明治維新で藩の庇護を失った萩焼は一時期廃れますが、萩焼の名門三輪家十代・休雪などの尽力により、茶陶の産地として再生しました。現在は、松本萩で坂家、三輪家、深川萩では坂倉家、田原家、坂田家が伝統を引き継ぎ、継承しています。


萩焼の主な材料は主に「大道土」という白い粘土が使われ、低温でじっくりと焼成するため、あまり焼き締まりませんが、釉が縮まるので、貫入(素地と釉との収縮のズレ)ができるのが特徴です。

萩焼の貫入は、使い込むうちに表情が変わるため萩の七化けといわれます。 萩焼は白濁釉のかかった高麗茶碗風のものが多く、色はやわらかな、薄いオレンジや淡いベージュで、手触りもまろやかな、シンプルでざっくりとした風合いが特徴です。

一見強い個性がないのが萩焼の特徴ですが、萩焼茶碗の見所のひとつに高台があります。

高台の一部を切り取る切高台、高台を十字に割る割高台、3の形を5カ所残す桜高台、上下を竹の節の形に削る竹の節高台などがあります。これらの高台は萩焼だけのものではありませんが、装飾のほとんどない萩焼茶碗の見所のひとつである高台に造形的表現を追求し、それが印象的であったことから特徴とされるようになったといわれています。

【萩焼の著名な作家】坂高麗左衛門、坂倉新兵衛、三輪休雪、三輪休和、三輪壽雪、田原陶兵衛、吉賀大眉、坂田泥華など


備前焼(岡山県)


備前国伊部で焼かれた無釉焼締めのせっ器です。伊部焼(いんべやき)との別名を持ち、日本六古窯(信楽・備前・丹波・越前・瀬戸・常滑)の一つに数えられます。

発祥は古代の須恵器にさかのぼる古い焼き物で、陶工達が備前で日用品を焼いていましたが、室町時代から桃山時代にかけては他の窯に先駆けて茶陶を造り、花入、水指、建水、茶入、手鉢などの優品を残しました。

豊臣秀吉が、茶会で備前焼の水指や花入を好んで用いたことでも知られます。

備前焼は江戸時代末期から昭和のはじめまでは低迷期を迎えますが、金繁陶陽が桃山時代の古備前を復興させ、これを機として隆盛しました。


備前焼には絵付けも釉もなく、昔と変わらぬ手順でつくった陶土を、登り窯で2週間、焼締めます。備前焼は水がよくしみ込むため、器と水の温度差ができにくく、水がくさりにくいといったことから、茶器や酒器に向く焼き物とされています。

備前焼はなんといっても、無釉焼締めの炎による窯変が持ち味です。備前焼の土は、冬に地下深くから堀り、1〜2年かけてつくられます。1300度の高温で焼き締めると、火襷、桟切り、緋襷、牡丹餅、胡麻などの独特な窯変が生れ、これが備前焼の見所となっています。

【備前焼の著名な作家】金重陶陽、藤原啓、山本陶秀、藤原雄、伊勢崎淳など


※四国・中国・関西地方のその他の焼き物には、兵庫県の出石焼丹波立杭焼、奈良県の赤膚焼、愛知県の砥部焼などがあります。

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