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漆器のお手入れ

2015/12/24

漆器のお手入れ


そろそろお正月の準備をする時期になってきましたね。お正月といえばおせち料理やお雑煮、お屠蘇など、漆器がかかせないアイテムです。

今回は日常的に使われる漆器のお手入れなど取扱いについて説明します。

漆器のお手入れというと面倒なイメージですが、意外と簡単です。ほんのわずかの気配りで、美しい漆器の味わいを長く楽しむことができるでしょう。純正な漆器は強い抗菌効果も持っています。




漆器を購入したら

漆器を使い始めは、まず箱から出して、部屋の定温にならしてから、湯通しをします。

温度は、手が入る程度の、やや熱めのお湯にしばらく浸けるとよいでしょう。

漆器の殺菌と考え、100℃の熱湯をかける方もいらっしゃるようですが、いきなり高温のお湯ですとヒビの入る原因となりますので、注意しましょう。


また、購入したばかりの漆器は、特有のにおいが残っていることがあります。天然塗料の漆の香りは、使ううちに消えていくものですが、気になる場合は、少量の酢を加えた米の研ぎ汁を、やわらかい布につけてふき、その後、ぬるま湯で洗うとにおいが消えるという効果があるそうです。



漆器の日常のお手入れ

漆器を使った後は、陶器やガラスのコップを洗うのと同じように洗えばよいのですが、質の高い漆器は、生きている器と考え、丁寧に扱いましょう。

漆器を使った後は、長時間、水やお湯などにつけておかず、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、やわらかいスポンジでひとつひとつ軽く洗ってください。


漆器は濡れた状態で放置しないで、洗った後は、柔らかい布で水分をふき取ります。こうすれば、水滴のあとが残ることがありません。

漆器で少し面倒なのが、ご飯などのこびりつきです。こんな場合には内側にぬるま湯をはって10分程度置いておいてから、スポンジで軽く洗えば綺麗におちます。


漆器を取扱う際の注意点

・漆器をたわしやクレンザーで洗うのは厳禁です。

・長持ちさせるために、堅いものと当たらないように陶磁器や、ナイフ、フォークなどとは別にして

 洗いましょう。

・電子レンジやオーブンは厳禁です。

・食器洗い洗浄機は避けましょう。

・長時間冷蔵庫へ入れることも避けましょう。冷蔵庫内は乾燥しています。

・屋外で使用の場合は、長時間、直射日光にあてないようにしてください。


やさしく洗って、しっかり拭くということを意識してお手入れすると、漆器の持ちはかなり良くなります。

漆器の塗膜は、時間をかけて器の中で透明になり、硬くなり続けています。お手入れをして使っていくうちに、質の良い漆器は発色も良くなり、ピカピカになっていくといわれます。

使い込むことにより、風合いの変化が楽しめるのも、漆器の魅力の一つです。

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