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波文様について

2015/11/8

波文様について

着物などに用いられる日本の伝統的な和文様には、月や雲、雨、雪、流水、風景などの様々な自然のモチーフがありますが、今回は波文様について触れてみたいと思います。


波などの水辺のモチーフが文様として使われるようになったのは、平安・鎌倉時代といわれています。

繰り返し、寄せては返す海の波は、様々に変化する形にあわせて、怒涛のごとく押し寄せる波頭が岩に砕け散る瞬間をとらえて文様化したものを主として、様々な波文様があります。

平安時代には海賊文様のひとつとして裳に波文様が描かれ、鎌倉時代には、陶器や蒔絵にも用いられました。

衣装などの染色品の文様として波文様が好んで使われるようになったのは、室町時代といわれています。


様々に変化する波の形にあわせて、波文様には、大波、小波、波頭、白波、立浪、荒波、遠波、片男波、怒涛などといった名前がつけられています。

また、波文様は、波単独で用いられるだけでなく、千鳥、燕、兎、舟、龍などの文様と取り合わせて用いられることも多く、波文様のバリエーションは豊富です。



代表的な波文様


波頭 この波文様は躍動感のある波を表したもので、寄せては返す波は、果てることがなく、永遠・不滅・長寿・誕生などを意味する吉祥文様として用いられます。


光琳波 尾形光琳の「紅白梅図屏風」に描かれた波の作風をモチーフにした波文様です。 水の流れを曲線で渦を巻いたように描きながら、下に流れていく独特の特徴を持っています。光琳波は、光琳文様のひとつとされており、波文様の中でも、礼装用の着物や帯などに広く用いられる人気の文様です。


波に千鳥 この波文様は波と千鳥を組み合わせた文様で、浜千鳥とも呼ばれます。千鳥は海辺や河原にみられる千鳥の総称で、群れをなして飛ぶことからこの名があり、この千鳥が文様として使われるようになったのは平安時代からとされており、装飾品、蒔絵などにも施されてきました。


青海波 「せいがいは」と読み、水面に見える波頭を幾何学的にとらえて文様化したものです。青海波は古くからもちいられてきた文様のひとつで、日本だけでなく、エジプトやペルシャなど世界各地にみられる文様です。

青海波文は同心円を互い違いに重ね、同心円の一部が扇状に重なりあった幾何学文様の一種です。


雅楽「青海波」の装束に用いられたことから、この名がついたとされています。江戸時代中期に、青海勘七という塗師が特殊な刷毛で青海波を匠に描いたことから、この文様が広まりました。

古くから用いられてきたこの青海波文は衣装、能装束、小袖、陶器、蒔絵などに施されました。

青海波の文様には基本的なもの以外に、花の形で青海波を形づくった菊青海波や、ところどころ波文様がきれた破れ青海波など、バリエーションは豊富です。


波の丸 様々に変化する波の形を円形にまとめた丸文の一種です。波の丸にも、いくつか種類があり、波頭を左右から抱き合わせるようにして円形にまとめた「抱波」や、片方だけの波頭の丸や、波頭を幾何学的に捉えた青海波の丸などもあります。また、波の丸は家紋にもみられます。

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