今回、いわの美術がお買取したお品物は、大倉陶園のブルーローズという絵付けパターンの花瓶です。
ブルーローズは1928年に誕生した大倉陶園自慢の絵付けパターンで、本焼成した白生地にコバルト絵具で絵付けをし、再度1460度の高温で焼成する事によってコバルト絵具が釉薬と柔らかく溶け込み、深みと優しさをもった美しい陶磁器を作り上げています。
陶磁器の白肌にふんわりと浮かび上がるようなコバルトブルーのバラは陰影をつける事によって奥行をだしており、観賞用としては申し分ないと人気の高いお品物です。
大倉陶園は1919年に大倉孫兵衛と息子の和親によって設立された日本の陶磁器メーカーで、孫兵衛は万国博覧会で鑑賞した西洋陶磁器に刺激を受け、日本では当時製造されていなかった硬質な白磁の製造を目指していました。
試行錯誤の結果「セーブルのブルー、大倉のホワイト」という言葉で賞賛され、色の白さ、磁器質の硬さ、肌の滑らかさは日本における最高級の陶磁器を生み出し、世界中に知られるようになりました。
現在はノリタケの子会社となっていますが、日用品というよりは、観賞用の陶磁器を作る事に全力で取り組んでいます。
陶磁器は結婚式の引き出物でもよく頂き、コレクションとして集めている方も多いアイテムです。
大倉陶器もそんなコレクションアイテムの一つで、作品によっては高価買取が期待できます。
大倉陶器の製品にはお写真のようなバックスタンプが記されていますが、規格外の製品が年に数回、大倉陶器の工場で販売される事があり、その製品にはバックスタンプの下にJ.Bと記されていますが偽物というわけではございません。
この大倉陶器の製品も買取る事はできますが、評価は規格外扱いでの買取となりますので、高価買取は期待できません。
