今回いわの美術がお買取致しましたのは、横山大観の石版画掛軸「或る日の太平洋」です。
「或る日の太平洋」の原画は、敗戦という形で太平洋戦争が終結した昭和27年、横山大観の最晩年の頃に描かれた作品です。
敗戦直後の日本画の置かれた状態は、極めて厳しく、価値の転換・価値の無政府状態という言葉でも表現された中、横山大観は、暗い霧を混沌とした時代の象徴として、凛とした富士を描くことで、無窮の美しさを描いたとされています。
「或る日の太平洋」では、太平洋が大きく裂け、その間から龍が稲妻とともに 海底より現れ、霊峰富士に向かって上昇するという富嶽登竜図で、交錯する波濤がダイナミックな作品となっています。
この横山大観の作品での龍は日本全体のパワーを表しており、敗戦後の日本の復興と、平和を願い描かれた作品といわれています。
お買取した横山大観「或る日の太平洋」の掛軸は、大日本絵画の石版画で、「この作品が許可された石版画掛軸であることを保証します」という保証書付で、限定250部のうちのひとつをお買取させていただきました。
いわの美術では、明治・大正・昭和と日本画壇をリードし続けた近代日本画壇の巨匠横山大観の掛軸などの作品買取をしております。
横山大観は、美術教育の基礎を定めた岡倉天心に師事し、その理想主義をくむ日本画家として、清新な構図とみずみずしい筆致、豊かな情感によって近代日本画の最高峰となった人物です。
また横山大観は、今日の朦朧体と呼ばれる、線描を抑えた独特の没線描法を確立し、第1回文化勲章受章者としても知られます。代表作には、「夜桜」「生々流転」「瀟湘八景」があり、数々の名作を残しました。
新日本画のパイオニア的存在として認められた横山大観の作品は、未発表作品を含め、市場には贋作や模造品の類が横行しており、作品の見極めには長けた眼と経験が必要となります。
いわの美術には掛軸など美術品の詳しい知識と買取経験豊富な専門スタッフが常籍しており、横山大観の掛軸作品などの買取のご相談を無料で承っております。また、贋作の多い横山大観の作品買取では、保証書や鑑定書がご一緒ですと、買取査定にプラスに働きますので、買取の際に鑑定書などがありましたら、あわせてご提示ください。