今回、いわの美術がお買取したお品物は、森徹山の掛軸です。
こちらの森徹山の作品は丹頂鶴が二羽描かれた花鳥図の絹本の掛軸です。
掛軸は何に描かれているかというと、大きくは和紙か絹に分けられ、それぞれ紙本、絹本と呼ばれます。紙本も絹本もそれぞれ特長がありますが、今回買取の森徹山の掛軸は、カイコの繭から採った天然の繊維である絹糸の生糸を平織りにした絹本です。絹本は色の乗りがよいとされています。
今回買取させていただきました森徹山の掛軸は、少しシミが浮き出ている部分もございましたが、共箱もあり、肉筆の作品ということで、他の買取希望のお品物とあわせて高価買取りの対応とさせていただきました。
近年は日本の住宅事情から掛軸を飾る床の間などが減っておりますが、掛軸はいわの美術でも買取依頼を頂くことの多いお品物のひとつです。
森徹山は江戸後期に大阪で活躍した絵師で、名は守真、徹山は号です。森徹山は森周峰の実子ですが、叔父の森狙仙の養子となり、森派を継ぎます。晩年には円山応挙の弟子となり、応挙の門人のうち最も優れた10人である応挙十哲に数えられました。
森徹山は狸などを飼って、その写生に励み、動物画家として名をなし、また好んで獅子や虎などを描いたとされます。
森狙仙の跡継ぎではありましたが、狙仙の画風とは異なり、完全に円山派の画風よりで、円山派を大坂に広めたと言われています。
森徹山は子煩悩でもあったそうで、子供の着物の模様の下絵を自ら描いたりしたこともあったそうです。
森徹山の代表作には東京国立博物館所蔵の「双牛図屏風」や「千羽鶴図屏風」、狙仙、周峰との合作「文殊菩薩図」などがあります。
いわの美術では、年間多数の掛軸の買取実績がございます。これまで、森徹山以外の作家の掛軸の買取も多く行っております。
掛軸の買取は作家によって、買取査定額が変わってきます。また、掛軸は保管の状態によっても買取査定に影響がでてまいります。掛軸は日光や水に弱く、破れたり折れたり、また古いものですとシミがついてしまうことも多くあります。
掛軸は、まず誰の作品であるか、どのような絵が描かれているかが買取査定のポイントとなりますが、シミ、汚れ、シワ、破れなどが少なく、共箱と呼ばれる木箱がございますと、高価買取に期待がもてます。
また、軸に象牙、黒檀、紫檀などが使われている掛軸ですと、高価買取となるケースが多いようです。
いわの美術では、掛軸の写真を添付しての簡易査定も行っております。 お写真付のメール査定の場合、実際にお品物を拝見した時に近い買取額を提示することができますので、買取見積もり額を知りたいという方には、メールでの査定をお勧めしております。
写真には掛軸全体と、署名・落款の部分をお撮りいただき、共箱がある場合はそちらのお写真もあわせて、いわの美術までお送りください。いわの美術では、掛軸の作家がわからない場合でも買取査定させていただきますので、掛軸のご売却をお考えでしたら、まずはいわの美術までご相談下さい。