今回、いわの美術がお買取りしたお品物は田中以知庵の掛軸「寒菊」です。
田中以知庵は別号に咄哉州や一庵などがあり、今回買取した掛軸は咄哉州の号が使われ、落款は一庵となっていました。
身近にある自然をこよなく愛し、独自の画風で多くの風景画を残しており、今回買取した掛軸「寒菊」も周りの風景など余計なものを一切描かず、自然の中にひっそりと咲いた姿を描きだしています。
肉筆という事と、象牙軸で共箱付でしたので高い評価での買取となりました。
田中以知庵は上原古年、松本楓湖に師事し、巽画会・紅児会等で活躍した日本画家です。
釈宗活について禅を学び、身近の自然をモチーフにした作品が多いのが特徴です。
蛙や鮎、蜆、また鶺鴒、雀などの小禽類を多く描いている事から「蛙の以知庵さん」と呼ばれていました。
また、晩年には独自の画風を築き上げ、幻想的な自然を描きだしており、見る者を魅了しています。
田中以知庵の作品にはお写真のように「咄哉州」や「一庵」などと記されています。
ご自宅にある掛軸でお写真と同じような文字が書かれていましたら、田中以知庵の作品かもしれません。
いわの美術では、年間に多くの掛軸の買取を行っております。
今回のように作家物の掛軸ですと共箱と呼ばれる桐箱に収められており、軸も象牙を使用している事が多く、高価買取が期待できます。
象牙の他にも黒檀を使用している場合もあり、こちらも高価買取が期待できます。
箱が無い場合でも買取を行っておりますが、箱が無い分マイナス評価となります。
また、1点ではお値段がつけられない掛軸は複数まとめてであれば買取る事が可能です。
掛軸ご売却をお考えでしたら、いわの美術にお任せ下さい。