切子には江戸切子、薩摩切子がありますが、切子と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、江戸切子の方かもしれません。 しかし、今回お買取した「黒切子」が開発されたことによって、薩摩切子も、にわかに注目を集めるようになりました。
お買取した薩摩切子は、薩摩びーどろ工芸という薩摩切子の工房作品になりますが、この薩摩びーどろ工芸が、不可能といわれていた黒色のガラス生地に、カット細工を施すことに成功し、「薩摩黒切子」という製品を開発し、薩摩切子も注目されることとなったのです。 「CasaBrutus(カーサブルータス)」が日本各地の歴史や文化に育まれてきた素晴らしい素材や伝統的な技術を生かして、現代の生活や世界の市場で通用するブランドの確立を目指した「JAPAN BRAND」という取り組みがありますが、そのジャパンブランドのプロジェクトにおいて、薩摩びーどろ工芸が黒切子という製品を開発したのです。
生地の厚い薩摩切子の中でも特に黒色は光を通さないため、とてもカットが困難といわれ、熟練の職人の中でも数人しか黒切子をカットすることができないのだそうです。
今回お買取した薩摩黒切子は、そんな技術の限界に挑戦した逸品で、薩摩びーどろ工芸オリジナルの証である 『Satuma』 の彫刻が施されています。買取の際、薩摩黒切子の保存状態もよく、外箱も付随しており、高価買取にてお譲りいただきました。
薩摩ビードロともよばれ、美しくカットされたクリスタルガラスの薩摩切子は、江戸幕末期から明治初期にかけて、薩摩藩が開発製造したものです。
鋭角に彫られるシャープな印象の江戸切子と異なり、薩摩切子は、入れるカットが緩やかで「ぼかし」の表現が、特徴となっています。
いわの美術では、薩摩切子の買取も行っています。薩摩切子の買取では、薩摩藩時代の骨董的価値のあるものだけでなく、その時代のものを復刻した薩摩切子もお買取の対象となっています。
大量生産された復刻版の薩摩切子のお買取は難しくなっておりますが、今回買取のような薩摩びーどろ工芸や薩摩ガラス工芸、島津薩摩切子、亀井硝子などで製作された美術的価値のある薩摩切子は、高価買取の可能性が高くなります。また、阪本光男、長谷川 久志といった薩摩切子の作家の作品も高価買取に期待がもてます。
いわの美術は、美術品・骨董品を多く扱う買取業者ですので、薩摩切子の買取の際は、しっかりとお品物の価値を見極め、買取評価・査定を致しております。買取査定は無料ですので、気になる薩摩切子がございましたら、是非一度いわの美術までご相談ください。