今回、いわの美術がお買取したお品物は矢立です。
矢立は別名を懐中筆と言い、外出先でも文字が書けるようにと筆と墨を一緒に持ち運べるようにした道具です。
お買取した矢立は筒の部分が空洞になっておりそこに筆を、瓢箪の部分には墨を入れて持ち運びます。
墨はそのまま入れると漏れてしまうため、綿やもぐさなどに墨汁を染み込ませて携帯します。
お買取した矢立は実際に使用されていたもので、一部に墨の付着がありました。
汚い状態よりも綺麗な状態の方が評価は高くなる場合もございますが、無理に薬剤などを使って墨を落とすような事をしてお品物を傷つけてしまうと評価が下がってしまいますので、簡単にこすって落ちないような汚れはそのままにしておく方が良い場合もございます。
今回は装飾も手が込んだもので、破損個所などもなかったため、高い評価で買取を行いました。
矢立は鎌倉時代から存在する道具ですので骨董品の矢立も存在し、いわの美術は美術品、骨董品の買取を中心に行っている買取業者としてしっかりと評価して買取る事ができます。
矢立は時代によってその形状を進化させてきており、初期の頃の矢立は檜扇型と呼ばれ、上部の蓋を横にずらすと筆と墨壷が収納されているものでした。
江戸時代に入ると劇的な進化を遂げ、墨壷が大きくなり、筆筒と直結している柄杓型が誕生し、携帯性が増しました。
また、デザインにも凝るようになり、庄屋には俵差のついた懐中筆、職人には物差のついた懐中筆、商人には算盤や秤に仕込んだ懐中筆、女性には簪に仕込んだ懐中筆、文武両道用には短銃懐中筆など様々な形状が生み出され、機能性も高められました。
矢立の買取では作られた時代、使われている素材、作家物など様々な要素を考慮して買取額を提示しております。
矢立はコレクターも多いお品物ですので、不要な矢立がございましたら、まずはいわの美術までお電話、メールにてお問合せ下さい。