今回お買取したお品は、大正ロマンを感じる涼しげな緑縁の金魚鉢です。
日本でガラスの器づくりが始まったのは、江戸時代に入って、南蛮船からもたらされたヨーロッパのガラス器に憧れ、長崎で吹きガラスが作られたと考えられています。
お買取したような大きさのガラス製の金魚鉢は、明治時代以降に、強度のあるソーダガラスが造られるようになってからで、ガラス製の品々が一般家庭に普及するようになったのは、大正〜昭和初期になってからのことです。
一般に馴染みの深い金魚鉢は、縁にフリルの付いた「花形」金魚鉢ですが、今回買取の金魚鉢は、装飾も素敵な猫足付タライ形の金魚鉢です。 水草を入れたり、ビー玉を入れたりして飾れば、風流な夏を楽しめそうなレトロな雰囲気いっぱいの金魚鉢をお買取させていただきました。
陶磁器や漆器とは異なり、光を透し、響きあい、味わいのある和ガラス。いわの美術では、独特な輝きの和ガラスの買取をしています。
ガラスはもともと、「ギヤマン」「びいどろ」などと呼ばれ、海外から伝わった非常に高価なものでした。 江戸時代に始まった日本のガラスづくりですが、明治時代になると、技術が発達し、ビール瓶やしょうゆ差しなど、生活に密着したガラス製品もつくられるようになりました。
そして、日本人の手によって、日本の暮らしに合わせた形や意匠の様々な和ガラスも生み出されました。
明治、大正、昭和初期のレトロな和ガラスは、和骨董コレクターに人気が高く、いわの美術でも買取を強化しております。人気の高い和ガラスの代表格としては、今回買取したような金魚鉢や、切子のグラス、氷コップなどがあります。
和骨董のコレクターに人気のカキ氷のための器「氷コップ」が生まれたのは、カキ氷が庶民の憧れの食べ物であった明治時代の後期で、当時のガラス職人たちは持てる技術を駆使して氷コップを作りました。ほんのり色づいた味わいのある色や、可愛らしい形のレトロな氷コップは、現代のガラスの器にはない趣でコレクターの間で人気があります。 ご自宅の整理や、倉庫の整理などで使わずにしまったままになっている和ガラスがありましたら、不用品として処分してしまう前に、いわの美術にご連絡ください。