お写真のお品物は堆朱で出来た蓋物で、菓子器としても使用できる大きさでした。
堆朱とは彫漆の一種で、通常の漆は硬くて彫刻することが難しいのですが、油を混ぜた漆は柔らかくなり、その漆を何度も塗り重ね厚い層を作って彫刻する技法の事です。
中国では剔紅(てきこう)と呼ばれ宋代以降の遺品が現存し、特に明代に盛んに行われていました。
日本へは鎌倉時代に伝わり、堆朱の技法が使われるようになったのは室町時代中期だといわれています。
今回、お買取りした堆朱の蓋物は、細かい部分まで精密に彫られており、技術力の高さを伺う事ができるお品物でした。
多少の傷はありましたが、漆の欠け、はげ、割れなどは見られず良い状態でお買取りさせていただきました。
漆の欠け、はげ、割れなどがある堆朱の蓋物でもお買取りは行っていますが、マイナス評価でのお買取額となります。
堆朱は菓子器などの蓋物の他にも壷や花器なども制作されています。
堆朱は1つの作品を制作するのに土台となるベースを制作するだけでも1年以上かかるといわれています。
そのため、高価な品物として中古品としても需要があるお品物です。
いわの美術では中古品の堆朱製品のお買取りを行っております。
ご処分をお考えの堆朱製品がございましたら、いわの美術までお気軽にご相談下さい。