お写真は、先日お買取致しましたブロンズレリーフで、日本を代表する彫刻家 北村西望の「松梅猪寿」という作品です。
北村西望の作品には、ブロンズ製や銅像などが多くみられますが、今回お買取のお品は、原型を作り鋳型製作されたブロンズのレリーフ作品です。
お買取した作品は、おめでたい松と梅の図柄に、力強く駈けていく猪の姿を表現した作品です。松梅を用いて、人生を自然に喩え、人の一生は猪が山を駈けるが如く、人生冬もあり、春もありといったことを、北村西望らしい力強さで表現した作品となっています。
お買取査定時には、額裏にキズなどみられましたが、作品の額の裏に落款付の北村西望直筆の共シールがみられ、買取評価にプラスに働きました。 共シールは、名刺サイズより少し大き目のサイズに、作者自身のサイン、作品名、押印がされたものをいいます。
共箱同様、作品に対して作家自身による真作保証がなされていることを意味する重要なもので、この共シールの有無も買取査定に大きく影響します。
平和を常に信じ、社会的に貢献を続けていた彫刻界の巨匠 北村西望。日本を代表する彫刻作品のひとつである北村西望作の長崎平和記念像は、あまりにも有名です。
いわの美術では、文化勲章、文化功労賞受賞経歴のある北村西望の作品の買取を行っています。
北村西望は、幼い頃から図工が好きで、個性的で大胆な作品を作り、常に周囲を驚かす子どもでした。その後、東京美術学校（現 東京芸術大学）を首席で卒業後、池田勇八らと彫刻の研究会を結成し、彫刻の道を歩むこととなります。そして「光にうたれる悪魔」で脚光を浴び、後には、国会議事堂内の「板垣退助翁」像の制作、長崎の「平和祈念像」、北村西望の代表作のひとつ「天馬」を宮中に献納するなど、数多くの作品を制作しました。
いわの美術では、これまで多くの北村西望作品の買取を行ってきました。北村西望の作品には多くのブロンズ像があり、仏像や動物、親子や男性などの人物など、大小様々な個性的な力強さを感じる作品が残されています。
北村西望の彫刻作品には「西望作」と彫られている場合が多く、作品にはオリジナルと復刻版がございますので、それぞれ買取査定の際は、評価が異なります。
また、今回お買取したレリーフ作品の上記お写真の共シールにもみられるように、北村西望の「書」も、個性的で力強さがあります。北村西望は彫刻作品だけでなく「書」の作品も残されており、市場でも人気のある北村西望の「書」の買取も行っています。
