岡山県で生まれた木工芸家です。 木工芸で人間国宝に認定されている作家です。 父親は指物師の片岡斎三郎で、幼い頃から厳しい態度で育てられました。
14歳の時に師事し父親の持つ木竹工芸の技術の全てを教わりました。 文人画家の柚木玉邨(ゆのきぎょくそん)に絵画を学び、彼の才能を見抜いた玉邨は「昭和の名人たれ」の期待を込めて昭和斎の号を送りました。 生涯、父親以外から指南を受けず、独学で技術を高めていきました。 作品には桑を好んで使用し、欅、柿、黄楊木、肥松(こえまつ)でも制作していました。 箱の四方の直線に線象嵌を用いて指物独特の直線の美しさを見せ、日本工芸展で活躍しました。 戦後は環境に恵まれず、生活が厳しい時もありましたが、制作意欲は衰えず、素晴らしい作品を作りだし認められるようになりました。 そして、木目に金箔(きんぱく)をすりこむ杢目沈金(もくめちんきん)で知られています。
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