西山晋とは
西山晋は、1926年に埼玉県で生まれ家の裏にある雑木林で遊ぶ活発な男の子でした。
また、小さい頃から絵を描く事が好きだった西山晋は、中学に入学するも勉強ばかりで絵を自由に描けない事が嫌で中退してしまいました。この事からも本当に絵が好きだった事が伺えます。
中学中退後は東京の町工場に就職して勤めるようになりますが、埼玉県から出てきた西山晋には、大都会東京の空気に馴染む事が出来ず、体調を崩してしまった事で退職し、地元埼玉県に戻ります
その後は、絵画教室を開いたり、彫刻作品を作るなどして生計を立てながら、好きな絵を描いて過ごしました。
そんな西山晋に転機が訪れたのは1981年、西山晋が55歳の頃に開かれた現代洋画精鋭選抜展という展覧会でした。
この現代洋画精鋭選抜展という展覧会に作品を出品した所、見事金賞を受賞しその後本格的に画家デビューを果たします。
デビューが55歳と遅咲きでしたが、以降数々の素晴らしい作品を描き続け90歳を超えてもなお現役で絵を描き続けています。
90歳を過ぎても作品を描き続ける事が出来るのは、絵を描く事が西山晋にとっての長寿の秘訣だからです。
好きな絵を描く事で肉体的・精神的にも元気になるという事からある意味病気を治す薬の役割も果たしていると言えるでしょう。
西山晋と武蔵野
西山晋は武蔵野の雑木林に広がる落ち葉のぬくもりを描き続けている有名な作家さんです。
西山晋が武蔵野の雑木林だけ描いている理由は、西山晋の幼少期の育った環境にありました。
西山晋の生まれ育った家の裏には武蔵野の雑木林が広がっていて、子供の頃はよく落ち葉の上で転がったりして遊んでいたそうです。
中学生頃になると、雑木林の木々から葉が落ちて落ち葉となり、枯れて土に吸収された落ち葉が養分として木々に吸収されて美しい花や葉を付けるというサイクルがまるで自分の一生のように思えたそうです。
落ち葉と自分の人生がダブった事からインスピレーションを感じ、90歳を過ぎても尚武蔵野の雑木林に広がる落ち葉を描き続けています。
『枯れ葉の野良道』
今回いわの美術がお買取りしたのは、西山晋の『枯れ葉の野良道』という作品です。
作品のタイトルにもあるように野良道に沢山の枯れ葉が落ちている風景を描いた作品で、光の当たり方や道に落ちている枯れ葉などがまるで写真を見ているかのように鮮明に描かれています。
また、枯れ葉は1枚1枚が重なりあっているようにペンティングナイフで細かく描かれていて、遠くから見ると枯れ葉が今にも風で舞い上がりそうな程忠実に再現されています。
『枯れ葉の野良道』は、全体的に鮮明かつ柔らかいタッチで描かれていますので、見る人の心を優しい気持ちにさせてくれる美しい作品となりました。
西山晋は武蔵野の雑木林とそこに広がる落ち葉だけを描き続けている画家として有名で、彼の作品を見た人は、まるで自分の故郷を見ているかのようだと感動する人が多いと言われています。
今回お買取りした西山晋の『枯れ葉の野良道』という作品は油彩画でしたので、絵具の剥がれやヒビなどが気になる所でしたが、作品の状態はとても良く少し額に傷がある程度でしたので高評価にてお買取り致しました。
絵画の買取について
いわの美術では、今回お買取りした西山晋の油彩画以外にも東山魁夷や、大友一美などの油彩画もお買取りを行っております。
また、油彩画以外でも木版画やリトグラフ、シルクスクリーン、水彩画、水墨画、パステル画など様々な絵画をお買取りしております。
それ以外にもお茶道具、掛軸、お酒、古銭、記念硬貨、洋食器、ガラス工芸、ジュエリー、アンティーク家具、時代箪笥、古いオーディオやアンプなど幅広くご対応しております。
頂いた物、ご両親の遺品、ご自身で買った物などご売却をお考えのお品物などございましたら是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
お問い合わせはメール、LINE、電話でも受け付けておりますのでお気軽にご相談下さい。