高木背水の作品について
今回いわの美術がお買取り致しましたのは、明治から昭和に活躍した洋画家高木背水の『豊島園内』という油彩画です。
現在豊島園は、プールや遊園地などの施設として栄えていますが、室町時代には練馬城が建てられていた場所です。
戦に敗れ廃城となっていた跡地を実業家である藤田好三郎が自分の静養地として買取、その後運動や園芸などが楽しめる施設として一般人に公開した事から豊島園の歴史は始まりました。
1931年競売にかけられた豊島園は、現在のみずほ銀行が自動落札しますが、その後何度も経営者が変わり1944年に戦況悪化で一時閉鎖を余儀なくされます。
その2年後に営業再開した豊島園は、ホテルや図書館など様々な施設を建設していき、豊島園で有名なプールが出来上がったのは1929年となりました。
お買取りした作品は、豊島園内にある古城の丘を背景にして描かれた作品で、水辺に写った古城や座ってのんびりしている人の様子などとても鮮明に描かれています。
高木背水について
明治から昭和の前期まで活躍した洋画家で、本名は誠一郎といいます。
佐賀県に生まれた高木背水は、12歳で画家になる事を決意して上京し、絵画を学ぶ人の為に創設された白馬会研究所に入り技術を教わりながら展覧会にも作品を出品していきました。
27歳ではもっと絵画の勉強をする為にアメリカへ渡り、コロンビア大学美術科を卒業します。
帰国後は文展に作品を出品するなど様々な作品を描き続け、33歳ではイギリスに2年間留学して英国帝室技芸院展に出品するなど海外でも活躍しました。
今後も素晴らしい活躍が期待されていた高木背水ですが、67歳という若さでこの世を去りました。
お買取りした作品について
高木背水は、風景画を数多く描いています。
空の雲と青空の割合や、草花の色彩の変化、水辺に映し出される細かな色合いなどとても鮮明に描いているのが特徴です。
今回お買取りした作品にも、高木背水の特徴である鮮明な色彩が用いられていて、美しい作品へと仕上がっています。
また、お買取りした作品は油絵ですので絵具のヒビや剥がれなどが心配されましたが、若干ヒビが入っていて額に傷や汚れがあったものの作品自体の状態は良く高評価での買取となりました。
いわの美術では、高木背水以外にも月や夕日などの光を作品に多く取り入れている大友一美や、漁村や海の景色を数多く描いている葛西四雄の作品など数多くの絵画をお買取りしております。
事務所移転や、コレクション整理などに伴う絵画の売却先をお探しでしたら、絵画の買取実績豊富ないわの美術までお問い合わせ下さい。