今回いわの美術がお買取したお品物は、モーリス・ユトリロのリトグラフ「静物画」です。
モーリス・ユトリロは小路、教会、運河などの身近なパリの風景を不思議な詩情と静謐さに満ちた作品に仕上げる作風が有名で、描かれる建物の壁などに用いられる独特の白が印象的です。
そのため「白の画家」と呼ばれ、この頃の作品は「白の時代」と言われています。
その後、「色彩の時代」と呼ばれる作風へと変化し、風景画ばかりであったモーリス・ユトリロの作品に人物が現れるようになりました。
さて、今回お買取りしたモーリス・ユトリロのリトグラフですが、アトリエで黙々と描いていた頃の作品をリトグラフにしたものかと思われます。
この頃は母親が持ち込んだ絵葉書や身近なモチーフで風景画や静物画を描いていました。
そのため、色彩に乏しく暗い印象も見られます。
作品の状態はシミ、汚れ、色焼けなどもなかった事から、なかなかの買取額となりました。
モーリス・ユトリロの母親シュザンヌ・ヴァドランは高いデッサン力を持つ女流画家として知られており、また画家となる前は様々な有名画家のモデルをつとめ関係を持つなど魔性の女であった事から母親のつとめは全く果たしていませんでした。
そういった劣悪な環境下がモーリス・ユトリロの心を蝕んでいき、アルコールが手放せなくなりました。
そのため治療の一環として絵を描くようになり、その絵が評価されるようになった事で画家としての道を進むようになり、この頃の作品の方が晩年よりも高く評価されています。
そんなモーリス・ユトリロの作品のご売却をしませんか?
いわの美術ではモーリス・ユトリロの作品の買取に力を入れておりますので、お気軽にお電話・メールにてお問合せ下さい。